高校生…

この3連休はすっかり休んでしまい、それとともにブログ更新も休んでいた。
連休最終日の昨日、実家からJ市まで帰ろうとしていたときに、あるニュースの特集に始まり、思わず見入ってしまった。
今週末から始まる「高校生レストラン」題材となったある高校の調理クラブの特集だ。この日の特集は3年間唯一残った男子部員に光を当て、その彼が前の年に果たせなかった日本一を目指して、料理コンテストに挑むという内容になっていた。

彼がすごいなと思ったのが、他の出場者が調理中の調理台が乱雑になっている中、調理中であっても調理台を整然に片付けながら、調理を進めていた。これはプロの調理師の方は当たり前に行うことであるが、高校生でそれが身についている彼は、高校生ながら「プロ」だなと思った。

そんな彼を指導したのが村林先生。村林先生は、調理師としてだけではなく、人間としても彼を「育てていた」のである。

最近、お師匠様は「『教える』ことはするけれど、『育てる』ことはしていない」と話す。
自分も現場にいたときにはそうだったなと思い当たる節があっただけに、この特集に見入った。自分も勉強の傍ら「育てる」教師をも目指していこうと思う。

村林先生のコラムがあったので、引用します。

以下引用

村林新吾の教育は真剣勝負!

「ありがとう」の意味知ってる?

 言葉遣いの乱れた生徒は割と少ないのですが、それでも「?」と思うことがよくあります。とくに気になるのが「ありがとう」という言葉。なんか「ありがとう」がへンなんです。とくに1年生。
 「もっとはよ段取りせなあかんわさ。分かった?」
 「ありがとうございます」
 最初は「分かりました。指導してくださってありがとうございます」という意味かと思い、「意味を深く考えていて、えらいなー」と思ったのですが、どうもちゃうんですね。
 「ちゃんと連絡してな」
 「ありがとうございます」
 「味見した?」
 「ありがとうございます」
 こんなふうに、やたら「ありがとう」を連発するんですね。なんでも「ヤバイ」で済ますのが最近のはやりですが、同じように、便利な言葉として頻繁に使う。
 せやのに、お礼を言わなあかんときには何も言わんだり、「すみません」と謝ったりするんです。言葉の本当の意味や、使うべきタイミングが分かってないんですね。なんで、大げさに言えば、ロボットや自動販売機としゃべっとるみたいに、味気なく感じてしまいます。
 まごの店では、これではだめ。適切な言葉がサッと出やな、上質なサービスなんて、できやしません。
 そういう言葉遣いをする子には、「今のはヘンやな」「そこは、分かりましたでええんやで」などと、そのたんびに指摘しています。小うるさいオヤジみたいやけど、今の言葉遣いのまんま社会に出て、恥をかいたらその子自身がかわいそうですから。
 あと、ほんのちょっとのイントネーションのまずさで無愛想に聞こえて、お客さまから怒られることも。
 「お弁当ひとつ」
 「ひとつですか?」
 「ひとつやっちゅうの!」
 単に復唱しただけなんですが、やわらかく「ですね」と言えばいいものを、硬い表情で、語尾を上げて「ですか?」言ってしまったので、「ひとつしか買ってくれやんの?」と、責めているように思われちゃったんですね。高校生には難しい微妙な部分かもしれませんが、やはりお店に立つ以上、感じのいい言い方ができるようにしておくべきです。
 でも、チンプンカンプンな受け答えをしていた子でも、3年生になるころには、ちゃんとした言葉遣いが出来るようになるんですから、たいしたもんです。
 たかが言葉、されど言葉。一つ一つの言葉を大切に、真心ある会話が出来る人間に育ってほしいですね。
 (平成20年12月05日付け伊勢新聞から)
  
引用終了
何冊か本も出ているみたいだから、読んでみたいなぁ。